静岡県静岡市の土地家屋調査士法人駿府合同事務所です。
皆さんは図書館をどのような時に利用しますか。
本を借りる、あるいは調べ物、最近はAVソフトも充実しているから
CD、DVDを借りたりといったこともあるでしょう。
私の場合ここ数年、自分が借りるよりも、
子供の自由研究の資料を探しに行くのがせいぜいでした。
仕事の資料調査で利用するというのは、
ここ何年かは正直ありませんでした。
そもそも実務と図書館は自分の頭の中では
全くむすびつかなかったのです。
それが先月京都での国際地籍シンポジウムに
参加して少し考えを改めました。
シンポジウムは幾つかの部会に分かれ私は
全国の調査士会員の研究発表の会場に足を運びました。
その中に地元京都の平塚泉会員による
「京都の地域慣習について」 という発表がありました。
ご承知のとおり京都は都として古くから日本の中心であり
都市全体が世界に誇れる文化遺産です。
そのような地域で調査士はどのように実務を進めているのか。
平塚氏の説明によると基礎調査に
府立図書館を利用するというのです。
我々の感覚では基礎調査はまず法務局や市町村役場、
県土木事務所、国土交通省に行くところです。
しかし京都(特に洛中)では府立図書館に
公図のもとになる紙図がBOOKの形で保管されており、
だれでも閲覧、コピーができます。
(一般の法務局の紙図より保管状態がずっといいです!)
シンポの翌日、真偽を確かめに私もその図書館に行ってみました。
確かにその紙図はありました。
時代は多少新しく大正元年のものでした。
地図とセットで当時の所有者一覧
(地番、地目、地積、所有者の住所入り)もありました。
洛中の町並は碁盤の目のようになっており
その地図には通りの名前も明記されていました。
そのため地図と地図の接続もとてもわかりやすかったです。
場所によっては区画まわりの長さも記載されていました。
これらを閲覧しているだけで京都の歴史の重みを感じました。
(続く)